再会の白衣と張り詰めた胸
梅雨の合間に差し込んだ柔らかな日差しが、病院の待合室に薄く影を落としていた。
絵里奈はお腹を撫でながら順番を待っていた。白のマタニティワンピースの上からでもわかるほど大きく張った腹。妊娠三十七週目、まもなく臨月を迎える身体だった。
20歳の彼女は若くして結婚し、会社員の夫との間に授かったこの命を大切に育んできた。だが、妊娠が発覚してからというもの、夫との夜の営みは一度もなかった。
「お待たせしました、こちらへどうぞ」
優しく響いた看護師の声に導かれ、絵里奈は診察室へと入る。母乳マッサージ——張り始めた乳房の準備とケアのため、助産師ではなく医師の手で診てもらうことになっていた。
扉を開けた瞬間、視線が白衣の胸元にある名札に吸い寄せられた。
《宗治郎》
一瞬、時が止まった。
その名を、彼女は知っている。
白衣の下から覗くのは、義父——宗治郎の顔だった。五十代半ば、落ち着いた声と眼差し。家庭では寡黙で温厚な印象だったが、診察室の中ではまったく別人のような威厳があった。
「……お義父さん……?」
思わず声が漏れると、宗治郎も驚いたように顔を上げた。
「……絵里奈……か」
数秒の沈黙。その後、宗治郎は静かに頷いた。
「まさか……君だったとは。だが、今日の担当は私だ。大丈夫、ちゃんと診るよ」
優しくもどこか硬質な声音に、絵里奈は息を飲んだ。
「はい……お願いします……」
そう答えるしかなかった。
促されるままにカーテンの奥のベッドへと横たわり、ワンピースを脱ぎ、上半身をタオル一枚で覆われる。肌に当たるリネンの冷たさよりも、義父の視線が突き刺さるようで、全身がこわばっていた。
「じゃあ、始めるよ。乳腺の開き具合と張りを見ていくから、リラックスして……」
白衣の袖口から伸びた手が、そっとタオルをめくる。すぐに露わになった乳房は、妊娠の影響で重く、熱を持って張っていた。乳輪は色濃く変化し、敏感になっている乳首が少し硬く立ち上がっていた。
宗治郎の指先が、その張りを確かめるように触れる。
「……だいぶ張ってるね。痛みはある?」
「いえ……少し、熱くて……」
正直に答えながらも、絵里奈の内側では別の熱がじわりと広がっていた。
宗治郎の指は専門的で、余計な感情を感じさせない。けれど、そのタッチが乳輪をなぞるたび、絵里奈の下腹部がじんわりと疼き、ラビアが濡れていくのを感じていた。
(感じてる——お義父さんの手なのに…)
羞恥と混乱に、絵里奈は唇を噛みしめた。
そんな彼女の心のざわめきに気づかぬふりをして、宗治郎の手は変わらず、淡々と乳房を押し広げていく。
その施術が終わる頃、絵里奈の膣はじっとりと濡れていた。