湯けむりの呼び声
汽車の窓の向こうに、夕焼けが滲んでいた。潮風が少し湿りを帯びて頬をなでる。汐音は、マスク越しに深く息を吸い込んだ。(やっぱり、この匂い)
伊豆半島の小さな温泉街。駅前の通りを抜け、坂道を少し上がったところに、父が営む寿司屋「和よし」がある。木の暖簾をくぐると、磨かれた檜の香りと、甘い酢飯の匂いが混ざって懐かしかった。
「……汐音か」
カウンターの向こうで、包丁を拭っていた父・和義が顔を上げる。相変わらず無口で、でも目尻の皺がやさしく緩む。
「ただいま。東京は……息苦しくて」
「ふむ。飯は食ったか」
返事をする前に、小皿が差し出された。軽く炙った鯖寿司と、出汁巻き。舌の上でふわりとほどける味に、汐音の胸が温かくなる。(ああ、この味が恋しかった)
二人で湯呑みを傾けながら近況を話していると、店の戸がからりと開いた。現れたのは、ずんぐりとした体格に黒の作務衣を纏った男――温泉宿「海灯庵(かいとうあん)」の主人、茂蔵だった。
「和義さん、ちょいと相談があってな」
茂蔵は息を切らしながらも、目を汐音に留めた。その視線が一瞬止まり、息を飲む音が聞こえる。
「……おや、汐音ちゃんか。すっかり大きゅうなって。いや、大きゅうっても……女っぷりが見違えるようじゃないか」
和義が軽く咳払いをして、客用の座布団を勧める。
「どうした、茂蔵さん。こんな時間に」
「実はな、今日宿に東京から芸術家が泊まりに来とるんだ。なんでも“女体盛り”を所望されてな」
店の空気が静まり返った。聞き慣れぬ単語ではないが、父の店にそんなものはない。
「冗談だろう」和義が低く言う。「うちは寿司屋だ」
「わかっとる。だがあの人、本気で言うとる。芸術作品の一部としてだそうだ。三十万出すって言われた。どうだ、頼めんか?」
茂蔵の額には、汗がにじんでいる。困り果てているのがわかった。汐音は湯呑みを置き、静かに父を見た。(三十万……?)
「そんな品書きはない」と父。「それに器はどうする。女は用意できるのか?」
「器は……志乃に頼んどる」茂蔵が視線を落とす。「あいつは若い頃、温泉コンパニオンでな。経験もある。大丈夫だろう」
「志乃さんに?」汐音の声が鋭くなった。
茂蔵は一瞬言葉を失い、苦笑した。「わかっとるよ。だが、あの人は“女体盛りは儀式”だと言うてな、どうしても本物の器が欲しいらしい」
汐音は拳を握りしめた。志乃は、幼いころから母のように慕ってきた女性だ。宿の台所でいつも笑っていた、その笑顔を思い出す。(志乃さんに、そんなことさせたくない)
「お父さん、私がやる」
和義の手が一瞬止まる。包丁の刃先が光を跳ね返した。
「馬鹿を言うな」
「お金のことじゃないの。……志乃さんに、そんなこと、させたくないの。私がやる」
和義の眉間に刻まれた皺が深くなる。けれど、汐音の瞳に宿る覚悟を見て、何も言い返せなかった。
茂蔵は黙って頭を下げた。「今夜、夕食の支度を頼む。宿の座敷を空けておく……。」
汐音は外に出て、茂蔵を見送った。男の背中が坂の下の夕闇に溶けていく。小さく頭を下げると、彼は手を振って去っていった。夕暮れの空は赤く、湯けむりが坂の向こうで揺れていた。風が海の匂いを運び、汐音の頬を撫でる。胸の奥で、何かが静かに動き始めていた。
白布の上の約束
志乃に案内され、汐音は海灯庵の奥座敷へと通された。障子の向こうには湯けむりが漂い、微かな潮の香が混じっている。部屋の中央には白布が一枚、静かに敷かれ、灯りの柔らかな揺らぎがその上を撫でていた。
「……久しぶりね、汐音」
志乃の声は懐かしさを含み、少し震えていた。彼女の目が汐音の姿に留まる。浴衣の襟元から覗く首筋、張りのある胸、すらりと伸びた脚。大人の女になった汐音を前に、志乃は思わず息を呑んだ。
「まあ……こんなに綺麗になって。羨ましいわ」
志乃は微笑みながら近づき、そっと汐音の頬に触れた。指先が滑らかに頬をなぞり、首筋へと降りていく。その指の温もりに、汐音の身体がわずかに反応する。
「志乃さん……」
「いいのよ、力を抜いて。女体盛りはね、ただ見せるだけじゃないの。心も身体も“器”に整えていくの」
そう囁くと、志乃は汐音の肩に手をかけ、ゆっくりと浴衣を滑らせた。白い肌が灯に照らされ、柔らかな光沢を帯びる。志乃は思わず息を飲み、その肌を指で撫でた。肩から鎖骨、胸の谷間へ。指先が乳輪に触れると、汐音の唇が震えた。
「んっ……あ……っ、あぁ……志乃さん……」
堰を切ったように、汐音の喉から甘い声が零れた。呼吸は荒く、胸が上下に波打つ。志乃が乳首を軽く転がすたびに「ひっ、あ、だめぇ……」と切れ切れに息を吐き、腰が白布の上で小刻みに揺れる。大人になった身体が、理性よりも先に反応していく。
志乃は微笑みながら、その声を確かめるように唇を近づけた。吐息が触れるたびに、汐音の背筋が弓なりに反る。乳房が震え、硬く尖った乳首が彼女の指先に絡む。汐音の息は熱を帯び、頬が赤く染まった。
「本当に……綺麗。若いって、眩しいわね」
囁きながら、志乃は胸から腹へと手を滑らせる。指がへその下をなぞり、やがて秘められた花のようなラビアに触れた。そこはすでに熱を帯び、柔らかく濡れている。志乃の指先が愛液をすくい上げ、花弁を優しく開いた。汐音は腰を浮かせ、無意識に志乃の手を求めるように動く。喘ぎがさらに激しくなり、灯りの中で肌が汗ばみ光る。
「志乃さん……だめ……そんな……」
「いいのよ。これは“整える”ため。器を磨くように、汐音を美しくしてあげる」
彼女の指がゆっくりと動き、ラビアの奥を円を描くように撫でる。汐音は声を押し殺しながらも、腰が反射的に跳ね、足の指が白布を掴んだ。息が荒く、瞳が潤む。乳首が硬く尖り、全身が淡い紅に染まっていく。志乃はその様子をうっとりと見つめ、頬を染めた。
「ほら、もう……花が咲いたみたい」
志乃は指先をそっと引き抜き、汐音の頬に触れた。指先についた雫が、灯りにきらめく。二人の間を静寂が包み、湯けむりの音だけが遠くで響いた。
はじまりの盛り付け
志乃が障子を静かに開けると、外の廊下には父・和義が立っていた。手には寿司桶。中には氷とともに少し冷めたシャリが並び、その上に美しく光る魚が置かれている。香の煙がふわりと流れ込み、座敷の空気が一段と張り詰めた。
白布の上、汐音の身体は静かに横たわっていた。志乃の手で整えられたその肌は淡く紅を帯び、湯気に濡れたように艶めいている。和義は一瞬、目を閉じて息を整え、包丁を握った。
「始めよう」
短く呟き、まな板代わりの小卓に向かう。魚の身を切る音が静かな座敷に響いた。包丁がまっすぐに走るたび、光が刃に跳ね返る。その音が、汐音の胸の鼓動と重なっていく。
和義は握りを一貫ずつ丁寧に仕上げると、志乃に目で合図した。志乃は頷き、冷やした葉を汐音の腹にそっと置く。そこに父の手が伸び、初めての寿司が静かに置かれた。ひやりとした感触が肌を刺し、汐音の身体がわずかに震える。
(冷たい……でも、お父さんの手が……)
その冷たさの下に、確かに温もりがある。氷の上の鮮やかな赤と白が、肌の上で小さく揺れる。志乃が次の皿を受け取りながら、盛り付けの位置を指で示す。その指先が、汐音の胸元へ滑った。
「ここに……イクラを」
志乃の囁きに、和義は一瞬ためらい、しかし黙って頷く。朱の粒が乳首の上に転がり、冷たい粒がひとつ、弾けた。汐音の息が詰まり、甘い吐息が漏れる。
「んっ……あ……」
志乃はその反応を見て、微かに微笑むと、ふたたび汐音の腿のあたりへと身を寄せた。指がそっとラビアに潜り込み、優しく撫で上げる。指先が愛液をすくい、ゆっくりと内へ滑らせるたび、汐音の身体がびくりと跳ねた。
「志乃さん……あっ……だめ、お父さんに……、見られてるのに……」
「大丈夫、すごく綺麗よ」
志乃は囁きながら、指先でラビアをゆっくりと開いた。濡れた花弁が柔らかく揺れ、滴る雫が白布に染みを作る。和義の握りが次々に並べられる中、汐音の身体は熱を帯び、肌がほんのりと赤く染まっていく。冷めたはずのシャリが、その熱に触れ、やがて人肌の温度へと変わっていった。
和義は表情を変えず、次の皿を取った。タコの切り身を薄く広げ、汐音の腹の上にそっと置く。吸盤が肌に貼りつき、柔らかく離れるたびに水音がした。志乃がその様子を見つめながら、微かに息を呑む。
握りが並ぶたび、部屋の温度が変わっていく。冷たさと体温、職人の手の動きと娘の息遣い。その交錯が、ゆっくりと甘い緊張を生み出していた。
「和義さん……もう少し、左側が……」
志乃の声に促され、和義は箸を取り、細かな調整をする。淡い光が寿司の表面を滑り、やがて胸から腹、腿のあたりまで一筋の流れを作った。
最後に、志乃は小さな器を手に取る。そこには透き通るような甘エビが一尾、薄紅に輝いていた。志乃は視線を和義に向け、静かに告げる。
「仕上げです」
その言葉に、和義は頷き、甘エビを汐音の腿の間、ラビアの上にそっと置いた。冷たい尾が肌を撫で、彼女の身体が大きく震える。湯けむりの向こうで、志乃が「美しい……」と呟いた。
和義が一歩下がり、志乃が深く息を吐く。白布の上、汐音の身体は一幅の絵のように静まり返り、寿司の香と女の匂いがゆっくりと混ざっていった。
箸の先の愛撫
温泉から戻った透真は、志乃の案内で奥座敷へと足を踏み入れた。障子の向こうから立ち上る香の煙と、かすかな潮の匂い。そこには白布の上に横たわる汐音の姿があった。柔らかな灯がその肌を照らし、盛り付けられた寿司の色彩が艶やかに光っている。
透真は一歩、二歩と近づき、座布団の前に静かに座った。芸術家の瞳が、妖艶な器となった汐音を映す。灯の揺らめきに照らされたその身体は、まるで命を宿した彫刻のようだった。
「……凄く魅力的だ。いただくよ」
低く囁くような声が響く。その声に、汐音の背筋がぞくりと震えた。透真は箸を手に取り、ゆっくりとその先を汐音の肌へ滑らせる。胸元から腹へ、冷たい木の先がなぞるたび、肌が小さく粟立った。
「んっ……」
汐音は思わず息を呑み、唇を噛んで声を抑える。透真はその様子を見て、唇にかすかな笑みを浮かべた。
「我慢しなくていい。すべてを曝け出した君を見てみたい」
その言葉に、汐音の胸の奥が強く波打つ。箸先が乳輪をなぞり、乳首を軽く弾く。ひやりとした感触のあと、熱がじわりと広がる。汐音はたまらず腰を浮かせ、小さく震えた。
「あっ……あぁ……透真さん……っ」
呼吸が荒くなり、声が少しずつ漏れはじめる。箸先が滑るたび、艶やかな音が静かな座敷に混じる。透真はゆっくりと視線を這わせ、まるで筆で描くように、彼女の身体を味わっていった。
「そう……いい。君は美しい、息づく芸術だ」
その囁きとともに、箸先が腿の内側をなぞり、魚の香と人の香が絡み合う。汐音の唇から漏れる声が、やがて甘い喘ぎへと変わっていく。志乃が障子の陰で静かに見守る中、座敷の空気はゆっくりと熱を帯びていった。
指先の潮
座敷の空気が静まり返る中、灯がやわらかく揺れていた。透真の箸が止まり、白布の上に置かれる。その視線の先には、股間に並ぶ甘えびの尾が淡く光を放っていた。湯けむりと酒の香が交じり合い、静かな緊張が漂う。
透真はゆっくりと息を吸い込み、箸を置いた指を伸ばす。「……ここからは、手でいただこう」その囁きに志乃が微かに頷く。透真の指先が汐音の股間へ向かい、甘えびの尾を一尾ずつ摘み上げた。柔らかな肉が指に沈み、冷たさが熱を帯びた肌に溶けていく。
尾を外すたび、隠されていたピンクのラビアが少しずつ露になっていく。最後の一尾を掬い取ると、透真はその指を止めた。残された股間の器が、酒を受けるようにかたちを作っているのに気づいたのだ。
「……美しい」
志乃が静かに徳利を傾け、人肌の温度に温められた日本酒を注ぐ。酒はとぷりと音を立て、汐音が股を閉じて作った器の中へ流れ込んでいく。温かい液体がラビアを伝い、奥へと満ちていくたびに、汐音の唇が震えた。
「あ……あぁ……っ」
透真は身をかがめ、ゆっくりと顔を近づけた。漂う酒の香に包まれながら、唇を寄せ、啜るように飲む。口の中に流れ込む酒は、女の熱を含み、舌に甘く染みていく。彼は幾度も唇を動かし、少しずつ、丁寧にそのすべてを飲み干していった。
最後の一滴が消えると、透真は静かに息を吐いた。汐音の身体は微かに震え、膝の力が抜けていく。志乃はそんな汐音の頬を撫で、やわらかく微笑んだ。
「……まだ終わっていないのよ」
志乃の手が汐音の膝に触れ、ゆっくりと左右へと開かせていく。灯の光が差し込み、股間の奥でひくつくアワビが姿を現した。濡れた光沢が艶やかに輝き、透真の瞳がその中心を見つめる。湯けむりと潮の香、そして甘い吐息が交じり合い、座敷の時間が再び静かに溶けていった。
舌でほどける
座敷の灯がゆらめき、湯けむりが静かに漂う。透真の顔は汐音の股間に近づき、息がかかるたびにラビアが小さく震えた。彼の舌がそっと触れると、柔らかな花弁が開くように反応し、甘い吐息が漏れた。
舌の温度が、汐音のラビアをゆっくりと解していく。先端が花びらの縁をなぞり、内側へ潜り込むたび、彼女の身体が波打つように震えた。舌がクリトリスを捉えると、そこは硬く、敏感に脈打っていた。
「んっ……あぁ……やだ……そんな……」
透真は微笑を浮かべながら、さらに舌を深く滑らせる。唾液と愛液が混じり合い、ぬるりとした音が広がる。その上から志乃が徳利を傾け、人肌に温めた酒を数滴垂らした。滴る酒が赤く酔ったラビアを濡らし、快感が一層強まる。
「あぁっ……熱い……の……っ」
酒が舌の動きを滑らかにし、透真の舌がそのまま膣口をなぞる。柔らかな襞が震え、舌を求めるように蠢いた。膣口がまるで呼吸するかのように開閉し、彼の舌を欲しがっているのが分かる。
「もっと……もっと、して……」
汐音の手が無意識に透真の頭を押さえた。指が彼の髪を掴み、腰が小刻みに動く。透真は舌を回し、深く差し入れ、愛撫のリズムを刻んでいく。志乃の吐息が静かに重なり、酒の香が座敷に漂った。
汐音の唇が震え、喉の奥から甘い声が溢れ出す。身体の奥が溶けるように熱く、波が重なるたびに息が乱れていく。彼女の舌先から漏れた「もっと……」の声が、夜の静けさに溶けて消えた。
逝き潮の瞬間
透真の舌が汐音の奥をなぞるたび、甘い震えが全身を走った。志乃が傾けた徳利から、再び人肌の酒が数滴こぼれ、ラビアの上に光る。温かい雫が滑り落ち、クリトリスを濡らしていく。その瞬間、汐音の身体が跳ね、息が乱れた。
「あぁ……だめ……もう……」
透真はその声を合図にするように舌を深く差し入れ、うねるように動かした。唾液と酒、愛液が混じり合い、熱を帯びた音が重なっていく。クリトリスが硬く尖り、彼の舌先に小刻みに震えた。志乃がその上から指でそっと酒を垂らすと、快楽はさらに増し、汐音の背が反る。
「やっ……あっ……もう……っ!」
透真の舌が、膣口の奥をなぞる。舌の先が蠢くたび、膣がきゅっと締まり、彼の舌を吸い込もうとする。汐音の両手が無意識に彼の頭を押さえ、「もっと……もっと……」と震える声が漏れた。波が押し寄せ、腰が勝手に動き出す。
そのとき、志乃がゆっくりと汐音の背中を抱き上げた。彼女の身体を後ろから支え、透真に見せるように半ば起き上がらせる。志乃はそのまま汐音の背後に座り、背中を胸に押し当てると、柔らかな吐息を耳元に吹きかけた。
「もっと感じていいのよ、汐音……」
志乃の両手が滑るように前へ回り、汐音の乳房を包み込んだ。指先が乳輪をなぞり、乳首を軽く摘まむ。透真の舌と志乃の指、ふたつの刺激が同時に走り、汐音の身体が跳ねた。乳房を揉む指と舌の愛撫が交差し、彼女の呼吸は乱れ、全身が熱に包まれる。
「あっ……だめぇ……やめ……あぁっ……!」
透真は舌を膣口に深く滑らせ、志乃は乳首を転がしながら囁く。「いいのよ、汐音……今、すべてを出して」その声と同時に、汐音の身体が大きく反り返る。腰が震え、膣が舌をきゅっと締めつけた。
「あぁぁっ……だめっ……でる……っ!」
次の瞬間、身体の奥から強烈な波が溢れ出した。透明な潮がほとばしり、透真の頬を濡らす。志乃が抱き締めたまま汐音を支え、背中でその震えを受け止めた。白布に散る雫が灯りにきらめき、潮の香が座敷に広がった。
透真は舌を引き、唇を伝う潮を舐め取った。志乃は汐音の髪を撫でながら、彼女を胸に抱き寄せる。「大丈夫……綺麗だったわ」その声が静かに響き、湯けむりとともに溶けていく。
座敷には三人の息遣いと、潮の余韻だけが残っていた。
夜の貞惜
志乃はゆっくりと立ち上がり、透真の前に歩み寄った。彼の肩に手を置き、柔らかく微笑む。
「立って……透真さん」
透真は黙って頷き、志乃の手に導かれるままに立ち上がった。志乃はその帯をほどき、浴衣をするりと滑らせる。布が床に落ちる音が、静寂に溶けた。熱を帯びた肌が灯に照らされ、薄く汗が滲む。志乃は彼の前に膝をつき、残ったパンツに指をかける。布越しに感じる鼓動。ゆっくりとそれを下ろすと、張り詰めた肉棒が露わになった。
「ふふ……やっぱり、逞しいわ……」
志乃は一瞬見惚れるように見上げ、そして後ろにいる汐音を振り返った。
「汐音、今度はあなたの番よ。彼を気持ちよくしてあげなさい」
「わ、私が……?」
汐音の声が震える。志乃は頷き、落ち着いた声で続けた。
「大丈夫。教えてあげるから」
志乃は透真の前に身を寄せ、唇を近づけた。舌が先端をゆっくりと舐め、円を描きながら根元まで這う。唾液が光を反射し、舐め取るたびに甘い音が響く。その動きには、長い年月を重ねた女の余裕と艶やかさがあった。舌の圧も、唇の締めも完璧で、透真の身体が小さく反応する。
「ね……こうして、包むの。舌でやさしく、ね」
志乃が顔を上げて微笑むと、汐音は頬を赤らめながらゆっくりと透真の前へ進み出た。震える手で太腿に触れ、息を整えようとする。
「こ、こう……ですか?」
恐る恐る唇を寄せた汐音の動きは、ぎこちなくも真っ直ぐだった。唇の熱が慎ましく伝わり、舌先がまだおずおずと彼の先端を探る。志乃がそっと背に手を添え、囁く。
「そう……でももっと舌を柔らかく。舐めるというより、感じ取るように……」
汐音は頷き、志乃の言葉を思い出すように舌を動かした。ぎこちなさの中に、純粋さがあった。唾液が少しずつ溜まり、舌の動きが滑らかになる。透真の喉から低い吐息が漏れ、手が汐音の髪に触れた。
志乃はその様子を見つめながら、再び透真の腰へと唇を寄せた。ベテランの舌が根元を這い、左右の玉を舐め上げる。やがて志乃は指で輪をつくり、亀頭をその輪に通したまま、上下に扱きはじめた。指先が濡れた唾液をまとい、艶めかしい音が響く。透真の身体がびくりと反応する。
その輪の動きに合わせて、志乃と汐音が左右から陰茎を舐め上げた。片方は舌を這わせ、もう片方は唇で沿うように。汐音の舌はまだ探るように震え、志乃の舌は熟練の動きで導く。二人の舌が交わるたび、透真の喉から低い唸り声が漏れた。
「2人とも……堪らん……」
汐音は恥じらいに震えながらも、志乃の動きに合わせて舌を這わせる。ベテランの艶と、少女の純。二つの熱が重なり、座敷の空気が甘く溶けていった。
潮の宴
志乃は透真からそっと唇を離すと、汐音の手を取り、低いテーブルの方へと導いた。まだ息を荒げたままの汐音をテーブルの端に座らせ、彼女の髪を撫でながら微笑む。
「ここに座って……そう、背を少し預けて。脚を……もう少し、開いて」
志乃の声は優しく、しかしどこか命じるような響きを帯びていた。汐音は赤らめた頬のまま頷き、M字に脚を開く。志乃はその間に手を差し入れ、割れ目をそっと指で開いた。濡れた花弁の奥が灯に照らされ、わずかに震える。
「透真さん……見て」
志乃の囁きに、透真は息を呑みながら近づいた。視線がその奥を捉えた瞬間、呼吸が荒くなる。志乃の指がラビアを開き、膣口をわずかに押し広げると、そこに透真の亀頭がゆっくりと潜り込んでいった。
ぬるり、と音を立てて肉が重なる。汐音の身体が小さく跳ね、息が詰まる。「あっ……!」 熱が交わり、透真の腰が自然と動き出す。志乃は汐音の肩を支えながら、彼の腰の動きを見つめていた。
打ちつけるたびに、汐音の背がテーブルの上で反る。乳房が波のように震え、息が荒く漏れる。透真の動きが速くなるたび、テーブルの脚がかすかに軋んだ。
「はぁっ……やっ……あぁ……!」
志乃は後ろから汐音を抱き寄せ、耳元で囁く。「感じて……そのまま……自分を委ねて」その言葉が汐音の胸に火を灯した。腰が自然と透真に打ちつけられ、二人の呼吸がひとつになる。
透真のピストン運動が激しさを増す。肉のぶつかる音が部屋に響き、汐音の声が次第に高くなる。志乃の手が彼女の乳房を揉み、乳首を摘まむたび、快感の波が胸から全身へと広がっていった。
「あぁっ……透真さん……だめぇ……っ、もう……!」
志乃が囁く。「いいのよ、汐音……そのまま、逝くのよ……」
透真の腰が最後のひと突きを深く刻み込む。汐音の身体が硬直し、そして大きく波打った。白布の上に散る雫、打ち重なる吐息。三人の影が灯に揺れ、夜の静けさに溶けていった。
帆立舟
志乃はゆっくりと透真を畳の上に仰向けに寝かせた。彼の胸が上下し、汗の粒が灯に照らされて光る。志乃はその身体を見下ろしながら、ゆっくりと自らの着物の帯を解いた。布が滑り落ち、熟した肢体が露わになる。胸の丸み、腰の曲線、年齢を重ねた肉体が持つ妖艶な美しさが、湯けむりの中で静かに輝いていた。
志乃は透真の脇に膝をつき、汐音を手招きする。「汐音……こっちへ」
まだ息の乱れが残る汐音が、志乃の指先に導かれて近づく。志乃は彼女の手を取り、透真の上へと誘う。汐音が恥じらいながらも彼の腰の上に跨がると、亀頭が濡れた膣口を探り、ぬるりと潜り込んだ。
「あっ……あぁ……っ」
汐音の身体がわずかに震える。腰を沈めるたび、透真の息が荒くなり、肉と肉がぶつかる音が室内に響く。志乃はその背後に座り、汐音の腰を両手で支えた。唇を汐音の肩に寄せ、低く囁く。
「ゆっくり……感じながら動いて」
汐音が頷き、透真の上で小刻みに腰を動かす。彼のペニスが膣の奥を擦り上げるたび、甘い声がこぼれた。志乃はその背後から両腕をまわし、乳房を包み込む。親指で乳首を転がし、舌を首筋に這わせる。二つの愛撫が同時に襲い、汐音の身体がとろけるように熱を帯びた。
「あぁっ……志乃さん……だめ……気持ちいい……!」
透真はその光景を見上げながら、腰を突き上げた。汐音の身体が反り返り、乳房が弾む。志乃はその様子を見つめながら、さらに彼女の身体を抱きしめ、舌で耳朶を舐めた。
「気持ちいいでしょう……? もっと感じて」
汐音は言葉にならない声を漏らし、腰を激しく打ちつけた。透真の突き上げと汐音の動きが重なり、激しい水音が部屋に響く。三人の息遣いが重なり合い、空気が熱を帯びていく。
「透真さん……もう……だめぇっ!」
その瞬間、汐音が果て、身体を震わせながら絶頂に達した。膣がきゅっと締まり、透真の腰を強く捕らえる。透真はその熱に耐えきれず、ペニスを引き抜くと同時に、白い精液を宙に飛び散らせた。